二番煎じ
【二番煎じ】
1・2回生の時、僕は踊り侍のことが好きになれませんでした。
踊りが好きなわけではなかったし、憧れて入ってきたわけでもないし、楽しいと思えるイベントもさほどなかった。
モチベーションは保てず、何回も辞めたいと思いました。
踊りこみもしなかったために、2回生になっても踊りは下手くそなままで。けど、そんな自分の踊りを1回生に見られたくもないから、祭りも参加せずに。
プライドは一丁前にあったのだろうか。
じゃあなんで踊り侍に入ろうと思ったのか、という話です。
僕は自分を変えたかった。
なんも成し遂げずに生きてきた自分を。
最後まで努力のできない自分を。
嫌いな自分を変えるには大学4年間がラストチャンスだと思いました。
そして、自分を変えるためには今までに経験してこなかったような環境に身を置くことが大事だと思いました。
その結果、選んだのは踊り侍でした。
つまり、好きなことではなかったけど自分を変えるために慣れない環境に入った。
無理をしたせいで楽しくもないし、頑張ることも出来なかった。
これが僕のサムライフの前半戦。
そんな僕にもきっかけが訪れました。
そのきっかけとは制作でした。
なにかを0から作ることにやりがいを感じ、制作に夢中になった。
制作に対する努力は、「踊り侍でいる自分への自信」と「滾れへの愛情」を創出してくれました。
滾れに対する想いに自信があるから、同期にも後輩にも堂々といられるようになりました。
滾れを伝えるためには自分が下手なままではダメだと思ったから、踊りに対しても真剣に向き合うようになりました。
つらつらと自分語りをしてしまったけど、その目的はひとつ。
【希望を持ってほしい】
こんなにも変われるんだということを知ってほしい。
憧れなんてなかった。楽しいと感じられなかった。努力もできなかった。
そんな奴が今はこんなに活き活きしてます。なにかに全力になれてます。
だからあなたも大丈夫。
どこかで必ずきっかけに出会える。
踊り侍はそういう場所だと思います。
僕の今年1年の目標のひとつに「自分の経験を元に後輩の支えになる」というものがありました。
侍に居続けた訳ではない自分だからこそ同じような後輩に寄り添えるのではないかと考えたからです。
僕はあなたに寄り添えたでしょうか。
あなたになにかのきっかけを与えられたでしょうか。
1人でも頷いてくれる人がいたら、僕の1年ちょっとが無駄にならないと思えます。
後悔なく旅立つことが出来ます。
そして、最後なので感謝の言葉を伝えたいと思います。
後輩へ
頑張る理由を与えてくれてありがとう。
ひっきりなしに祭に参加した今年1年。
全ての期間に全力で挑めたのは、自分の行動1つであなたのサムライフを左右してしまうかもしれないと思えたからです。
誰かのきっかけになりたい。
誰かの支えになりたい。
この想いが僕を前に進めてくれました。
ありがとう。
そして、
人それぞれ、色々な形で感謝を伝えたいと話してくれましたね。
個人的に心に刺さったのはある一男が言ってくれた「恩送り」という言葉です。
踊りを教えてくれた先輩に感謝を伝えたいなら、上手くなってその姿を後輩に見せてください。
辛い時に寄り添ってくれた先輩がいたなら、同じように後輩に寄り添ってあげてください。
あなたも先輩の立場になれば分かります。
「恩返し」より「恩送り」のほうが何倍も嬉しいです。
同期へ
踊り侍を繋いでくれてありがとう。
僕を含め多くの人が踊り侍から心が離れるような時期もありました。
そんな時、ひたすら踊り侍のために模索して、尽くして、引っ張って。
そして、離れた僕を否定しないで受け入れてくれて。
スタッフを初めとして、侍を支え続けてくれたみんなありがとう。
居場所を作ってくれてありがとう。
前向きな言葉を聞くほど辛くなる時期がありました。
そんな時、同じような気持ちを伝えてくれた人がいたから。
自分だけではないと思えたから。
ここまで辞めずにくることが出来ました。
ありがとう。
僕はあなた達が大好きになりました。
その好きという気持ちが僕を成長させてくれました。
本当にありがとう。
滾れへ。
本気にさせてくれてありがとう。
本気になることを知らなかった自分を変えてくれたきっかけは間違いなく滾れでした。
新潟総踊りで想人賞を受賞した時、号泣してしまった。
これは賞という形が嬉しかったわけではないと思います。
自分の想いを注いだ滾れが、誰かの心を動かした。それを実感出来たお祭りだったからこそ嬉しかったのだと思う。
本気でやって、嬉しくて泣いたことなんて生まれてから1度もなかった。自分をこんなにもアツくさせてくれてありがとう。
踊り侍は間違いなく人生においての転換期。
踊り侍ありがとう。
二番煎じ