3回生よりメッセージ

早稲田大学”踊り侍”の3回生が引退に向けた思いなどを綴った期間限定ブログです

キッコーマン

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ブログを書くってなって、本当にみんなにただ伝えたいことを書きます!

 

 

まず、私の踊り侍に入ったきっかけは、侍の演舞を見たとかじゃなくて、侍の練習を見たことでした。新入生は体育館の横に並べられて、当時の2、3回生が、楽しそうに全力で練習してた。今となっては「楽しそうに全力で」なんて言えるけど、当時は「ここは宗教か」なんて思ったりもした。めちゃくちゃぎゅうぎゅうに集まって、その視線の先には人が立っていて、その人の言葉の切れ目にうなずくって言う。「いや?!え?素直すぎじゃない?なんか怖い、、」最初はずっとそんな不信感だった。でも何でこの人たちそんなに頑張れるんだろう。何でこの人たちそんなに楽しいそうなんだろう。そんな気持ちも湧いた。そっから決断は早くて、この人たちと、叫びたくて、この人たちと同じところにいたい、と思って、メールを送信。結果何とか侍に入ることができた。

 

 

そんな私のサムライフは振り返ってみれば、もっとできることあったやろ、、っていう後悔の連続だった。その根底には素直になりきれなかったってことがあった。いつも誰かを羨ましいなって思ってた。侍に限らずも、素直にまっすぐに行動できる人ってめちゃめちゃすごいと思う。その行動の結果はどうあれ、自分に納得してるってことだから。いやでも、納得し続けてかつ、進める人なんていないんよね。迷いながら進んでるんだみんな。ずっとずっとそれに気付けなかった。

 

 

私は、普段役職で頑張ってるような人の"素直な気持ち"発言で辛いんだって言葉を聞いてもも、「でもどうせ、私みたいなことでは悩んどらんやろ。」って思ってた。どんなにその人の意外な一面を知っても、「みんな侍の中にある具体的な自分の居場所に納得してるんでしょ」ってふてくされてた。どんなに仲間って言ったって、どんなに和をなすって言ったって、取り残される人はいるんだ結局。そう思った。

 

でも私は結局侍をやめなかった。やめたかった。本当は。だって楽しそうに練習する姿に憧れた。だから入った。でも思いの外素直になれなかった。だから練習は辛かった。周りはどんどん行動してどんどん侍に馴染んでいく。焦った。私のこのチームにとっての存在理由って何だろう。価値って何だろう。そんなことばっか気になった。周りの目が気になった。そしたら全然素直になれなくなった。悪循環だった。そんな中で神戸の班長に選んでもらえた。嬉しかった。けどうまくいかなかった。班を楽しませられなかった。ずっと緊張してた。そんなことでプレッシャー感じてしんどい自分が情けなかった。不甲斐なかった。もう侍はやめよう。恥をかきたくない。辛い思いもしたくない。逃げようと思った。けど、神戸2日目マリンピアで、もういいや、もう何でもいいや、振り間違えたって、緊張してたってもう何でもいいやって思って、これが最後って気持ちで、零のあの叫ぶためにある8カウントでめっちゃくちゃに叫んだ。したら、斜め前の当時の代表のガムさんが、「キッコーーーーーーーーーマーーーーーン!!!」って名前を呼んでくれた。初めて、本当に初めて名前を呼んでもらえた気がした。すごくすごく嬉しかった。嬉しくて、そこで踊った零は、本当に忘れない、忘れられない4分半になった。

 

神戸を経て、私は侍をやめられなくなった。4分半、弱い自分をかなぐり捨てて、その4分半だけは、自分は最強な気がした。誰にも負けないと思った。声を出せば、叫べば、自分の存在が大きく大きく膨らんで、もっと遠くに誰かに何か、伝えられるんじゃないかって思った。もっとずっと踊りたいって思った。

叫ぶってすごい。普通に過ごしてたらやらんもん。声出すってめっちゃすごいこと。結局、「声出して、元気出して」って言葉に全部全部詰まってる。叫ばないのなんてもったいない。私は本当にそう思う。全力の叫びできっとあなたの何かが、変わる。声出すって誰かの何かを変えるための一つの武器なんだ。本当にそう思う。

 

18代目へ。

 

今、侍を全力で楽しめていないかもしれないと不安になってる人がいるかもしれない。もっとこうありたいと、誰かとこうなりたいと願うのに、其れに現実が届かず、苦しい思いをしているかもしれない。はたまた、何の躊躇もなく、全力で楽しめている人もいると思う。

前者の人たちに言いたい。私はたくさんたくさん後悔して、くやしくて、諦めそうになって、どうでもいいやとまで思ったけど、それでも、踊り侍は最高の仲間って気づけたよ。やっと気づけたよ。絶対、君も気付ける。何の疑いもなく、この仲間と最高の景色が見たいって、その仲間には絶対にわたしもいたいって、おもえる日が絶対くるよ。

仲間と友達は違うから。私たちは友達なんかじゃない。友達よりも、もっともっと大きくて強い仲間っていう繋がりでつながってるんだよ。私は最初みんなと友達になれないことが、辛かった時期もあったけど、それよりもすごい、仲間なんだって気付いてそれがすごく、奇跡みたいなことだってわかった。

 

このブログを書いている今も、引退に向けてどんどんどんどん時間は進んでいるから、わたしは本当に最後のこの幸せな時間を噛み締めて噛み締めて逝きたい。18代目と全力で、今よりもっと遠くに逝きたい。

 

これからも、19代目へと変わるみんなが、踊り侍として、誇らしく、幸せにいられますように。

これを読んだあなたに、どうか少しでも、こんな侍もいたんだなって、勇気を与えられますように。

そう願っています。

                                  キッコーマン